<業界コラム17>「100万台の撤去」とは、【100万台の管理】と【100万台の回収】の問題

有限会社トータル・ノウ・コネクションズ

代表取締役社長 高橋正人氏

■「2022年・1月」~業界【最初の懸念】は、「撤去遊技機の廃棄問題」も。

2022年1月に迎えた「旧規則機の撤去問題」は周知の通りですが、そこから派生する【撤去台の廃棄問題】が懸念されています。

業界団体としては【新規則機「設置比率」の進捗計画】として、「月々の撤去進捗状況のまとめ」を作成し、『昨年12月~今年1月の撤去が集中しないように』と言うテーマを持って、新規則機への移行進捗状況を公開してきました。



■昨年10月末での【旧規則機の残存率・実台数】は、どのくらいなのか?

「全日遊連」が発表した【10月末の全国数値】を見ると、以下の様になっている。

  • 【旧規則機の残存率】は、「パチンコ=17.9%」・「スロット=37.4%」・【合算=25.6%】と集計されている。
  • 【旧規則機の台数規模】は、「パチンコ=42万台」・「スロット=57万台」・【合計=99万台】となっている。

それを『あと3ヶ月で完全撤去する』となると、実質的には「月間=33万台の撤去」となる。

コレに伴い、最大の懸念が『3ヶ月間で100万台の廃棄処理(リサイクル)は可能なのか?』と言う問題だが、基本的には『無理がある』(リサイクル業者の全回収は不可能)と言う事になるでしょう。

と言う事は、この撤去遊技機は、【一旦、ホールにて保管】となるのですが、果たして『ホールは、その準備が出来ているのか?』と言う懸念が残ります。また、急遽『倉庫を借りる』にしても「年末年始と言う時期」も含め、【物件の問題】・【諸経費の問題】も出て来るでしょう。



■最悪は、【社会問題化】への懸念。

まず【知っておくべき事】としては、パチンコ・スロット遊技機は、<2000年施行の「循環型社会形成推進基本法」により、2001年に「資源有効利用促進法(改正リサイクル法)」が施行され、その対象製品(省資源化製品・再利用促進製品)に指定されている>と言う『法的規制対象である』と言う事。

つまり、リサイクル法により適切な回収が必須であり『一般的なゴミ処理扱いは出来ない』。更に過去の「不法投棄による社会問題化」もあり、ましてや「不法的な回収」や「不法投棄」などは論外である。そして、『パチンコ店が関わっている』『管理体制がずさんである』などと言う風評が発せされないよう、留意する必要があります。

いずれにしても、この先「選定指定業者の許容オーバーによる、一旦回収不可能」となる場合が想定されますが、ホールとしても、【回収業者の選定】から始まり、緊急回避的な【倉庫の手配】~【在庫管理】に至るまでを想定しておかなければならない状況となります。

単に『座して待つ』のではなく、『備えあれば憂いなし』と言うスタンスで臨みたいところです。

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