<業界コラム5> パチンコ【千円スタート値】と【有効スタート値】のお話
有限会社トータル・ノウ・コネクションズ
代表取締役社長 高橋正人氏
■そもそも、【ボーダー理論】(と言うモノ)から始まった。
業界における【パチンコ系攻略雑誌】から始まった(と思われる)【ボーダー理論】がある。いわゆる『ボーダー回転数は「千円○○」だ!』と言うヤツですね。その数値を根拠に、ユーザーさんは『回る・回らない・・・のライン引きをした』のですが、気が付いたら<千円=20回>が当時の基準値の様になり、現在では<同=17回・18回>とか囁かれています。
しかしながら、そもそも【損益分岐点の千円S値】なんて、店舗毎の<損益分岐割数>でも異なる訳だし、<機種スペック毎に違う>訳だし、はたまた<BA値の変化でも異なる>訳だし・・・等々、ツッコミどころは多々あれど、何はともあれ『打ち手ユーザーは、そう思っている!』のですから完全無視する訳にも行きませんね(汗)
■ホール的には【有効S】重視が当然の成り行きで。
パチンコ機のデータ管理上では、『単位時間あたりの回転数を管理する』と言う概念ですが、いわゆる「アウト玉換算」して、「100発単位」、「1,000発単位」と言う計数で、「有効S=5.5回」とか「同=55.2回」とか呼称されるモノですが、パチンコ遊技の基本は『ヘソにどのくらい入賞させるか?(=回せるか?)』と言うゲーム形態ですから、ホールとしては、その【ヘソへの入賞個数(S1・S)】と管理するのは当然の事でしょう。
■そこで、【千円S値の管理】は必要なのか?
「数値の変化・推移」を含めて、『見る事は大事な事で必要な事』でしょう。ただし『その数値は、B値とS値で変化する』訳で、現実的な<【玉の入賞口】は、「左他穴」と「始動口」の入賞数である>事から、データ計数管理としては、【B値】と【S1(入賞数)】の管理となりますね。
つまり、データ管理上の優先順位は、『B値とS値が優先』され、『千円S値は結果論』と言う事になります。
また、【千円S値の変化】は、そのまま即<粗利額の変化に直結する>訳で、【同一玉粗利を確保する】と言う条件下では、基本的に「パチンコ遊技機のスペックが変更出来ない」様に、「千円S値も変化出来ない」事になる。
しかし、その<千円S値を維持・固定>でも・・・『<B値>と<S値>が変化しても<千円S値>は変わらない』事もまた事実であり、遊技機提供するホール側としては、『「スタート演出が止まらない」様な賞品提供が望ましい』でしょう。
■最後に、「千円S値」の算出方法のおさらい。
<B値>と<有効S>から【千円S値】の算出・・・「千円貸玉個数」÷「100-B(※実数)」×「有効S値」でOK。
(※例1)⇒250÷(100-25)×5.5=【18.33回】 (※例2)⇒232÷(100-20)×5.5=【15.95】
<千円S値>と<有効S>から【B値】を逆算・・・100-(「千円貸玉個数」÷(「千円S」÷「有効S」))となります。
(※例)=100-(250÷(17.0回÷5.5))=100-(250÷3.09)=100-80.9=【B=19.1(%)】
願わくば、キッチリ覚えて頂いて、今後の「ファンに納得して頂ける遊技機提供」をお願いしたいと思います。